大塚清吾のホームページ

〜原徹雄さんのこと〜

この「有明抄」を書いた原徹雄氏は、佐賀に於いて私の最も信頼する友人であった。知り合った当時私は東京に住んでいて、最初は「沖縄の職人たち」の写真展を東京のマスコミに売り込む前に故郷佐賀で行った。その時の画廊は佐賀新聞社の前にあり、写真展の売り込みで文化部へ行ったのが始まりであった。1971年9月29日から沖縄の職人たちを「写真・文」で10回連載した。私としては生まれて初めて新聞に文章を書いたのである。この時原さんと知り合い、夕方になると何処へ飲みにいこうか、ということになり明け方近くまで「文化とは歴史とは」ということについての考えを喧々諤々互いに譲ることなく話していた。歌舞伎や沖縄からシルクロード、大黄河、陶磁器などと、私の仕事を私の内面にまで入り込んで見ていた人である。